2014年2月5日
Lamp 7thアルバム『ゆめ』リリース



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音の響きと流れについて
先ほど、カエターノ・ヴェローゾを聴いていて、作曲について、とりわけ音の響きと流れについて考えていました。

人が音楽を聴いて心地よく感じる時はどういうときなのか。

様々な時があると思いますが、今日は、自分なりに今まで考えてきたことを書いてみたいと思います。


基本的に音楽には和音(コード)の流れがあります。

僕は「その調(キー)の中のどんな位置の音が響いているか」ということと「前後の和音の関係やそこから生み出される流れ」の2つがとても大切なのではないだろうかと考えています。

今日はその後者について。

たまにNHKの子供向けの番組でクレイ・アニメをやっていますよね。ピングーみたいに粘土を動かして作るアニメのことです。
それでよく使われる手法なんですが、
例えば、丸い輪になった粘土があるとします。それが最初はドーナツだったのに、次の瞬間それが変化して、ドーナツが月になってしまいます。また次の瞬間、その月がバナナになっています。そしてその次には、バナナの皮が剥かれて中から猿が出てきます。実際こんなに単純じゃないですけど、こんな感じで粘土がどんどん変化していって面白みをつけているのですが、この変化する前と変化した後のものに何の共通性もなかったら子供は喜びませんね。けれども、ドーナツが月になったらそれはどちらも「丸い」し、月がバナナになればどちらも「黄色い」ですよね。バナナを食べるはずの猿が、バナナの中から出てきたら(子供レベルでは)面白いですよね。

例え話が、長い上にあまりいい例ではない気がしますが、和音の流れも似たようなことがあると思うんです。

ちょっとこれを見てください。



これはLampの1st『そよ風アパートメント201』収録の「街は雨降り」という曲の1番の途中の歌詞とコードを書き出したものです。字が下手ですねぇ。
※keyがCと書いてありますが、実際ここの部分でC調になっているのは、はじめのF△7のみで、あとは転調してキーが変わっています。

では、次、こちらです。これらのコードを順番に並べたもので、その構成音を見てください。



赤で囲ったのは前後の和音で共通している音程です。上の段でも下の段でも、必ず前後の和音がお互いに二つずつの共通した音程を持っています。

僕は和音は景色を作り出せるものだと考えているのですが、
この曲のこの部分は、〈前の音の印象をどこかに残しつつ、移動した音が次の景色にちょっとした変化をもたらす〉という試みをとりわけ強く打ち出した部分です。
これは、僕の一つの主張であり、問いかけであり、挑戦でした。

ブライアン・ウィルソンの作る音楽もこういう感じがしますね。

もちろん、理屈ではなくそれを演奏したときに美しくそして心地よく感じたから、自分たちのオリジナル曲としてレコーディングしたわけですけど。


そして、今日のテーマから少しそれますが、この曲のこの部分についてはもう一つ面白いことがあります。
聴いていてわかると思いますが、香保里さんの歌っているメロディーの起伏があまりにも少ないんですね。ここは。
ほとんどメロディーが上下に動きません。

実はこの間ずっと、香保里さんの歌っているメロディーはギターの3弦で鳴っている音と同じ旋律をたどっているのです。ちなみにギターはハイコードで弾いていて、どれも7フレットから12フレットの間でコードを押さえています。

これは、アントニオ・カルロス・ジョビンの作曲法に影響を受けました(っていうほど僕は方法論をわかっていませんが)。
ジョビン作の「Samba De Uma Nota So(One Note Samba/ワン・ノート・サンバ)」はそんなに好きな曲ではないのですが、ジョビンのそういった試みが試されている曲の中の代表といえるでしょう(タイトルからして)。

音楽の心地よさというのは人それぞれだと思いますが、僕は変化しない音がある音楽を聴いたときに、それを感じることが多いようです。


以下、曲を作るときの大まかな流れを書いてみます。作曲に挑戦しようとしている人は、良かったら参考にしてみて下さい。

1 「少し冷たい」と歌いながらギターでコードを弾いてみる。Fのメジャーセブンスの音(ミの音)が心地よい(その時の自分の気分で)。
2 「今朝の空気」という部分の旋律もまた「少し冷たい」と同じ音程にしたいが、その音を次の和音の中のどこの音とするか(和音の構成音でなくても響きがよければ何でも良いです。ただ、はじめは構成音の中から選んだ方がやりやすいです)。
3 とにかく普通の響きじゃつまらないと思う(ここが重要です!)
4 ここで、F♯m7のセブンスの音も同じミの音だと思い、弾いて歌ってみる。すごくいい感じ。
5 コードが兇ら垢悵榮阿靴燭っているので、移動させる。ということで、「空気」の部分のコードはB7で旋律も半音下げる。

という感じです。
これだけを考えるのに、何週間もかかることもあります。


ということで、『そよ風アパートメント201』未聴の方は是非。
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