2018年5月15日
Lamp 8thアルバム『彼女の時計』リリース



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音楽レーベルBotanical House



生い立ちからバンド結成、
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Michael Franks マイケル・フランクス
僕がこのバンドLampを始めた頃、色々なアイディアや要素をマイケル・フランクスからもらいました。今から考えるとマイケル・フランクスの音楽との出逢いが僕の音楽人生の一つの分岐点であったように思えます。彼の音楽を聴いたとき、それまでは気付かなかった新しい自分に気付きました。僕がマイケル・フランクスから見出したものは今でも僕、そしてLampというバンドが持つ一つの要素として存在していると思います。

どちらか1枚選べと言われると、どうしても譲れない3曲「Eggplant」「I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad」「Popsicle Toes」が入っている『The Art Of Tea』の方になりますが、『The Art Of Tea』と『Sleeping Gypsy』、どちらも究極のポップス・アルバムだと思っています。

どちらのアルバムも、プロデューサーはトミー・リピューマ、エンジニアはアル・シュミットで、ギター、ベース、ピアノにそれぞれラリー・カールトン、ウィルトン・フェルダー、ジョー・サンプルというクルセイダーズの面々、ドラムにジョン・ゲーリン、サックスは曲ごとにマイケル・ブレッカーとデイビッド・サンボーンなど、クレジットを見ただけでも、どおりでどおりで、並べて語られるわけですよね。この2枚のアルバムが最高たる所以は、僕の一番好きな音の時代に、マイケル・フランクスというセンスのいい作曲家の曲を、一流のバック・ミュージシャンがこれ以上ないくらいの演奏をしていて、さらに、最高のスタッフが支えているという、いくつものプラス要素が絡んだ結果生まれたからだと思います。特にジョー・サンプルのローズとラリー・カールトンのギターの絡み、ここに耳を傾けて聴いてみてくださいね。因みに僕は、ここに参加しているバック・ミュージシャンのソロ作品の全てを聴いたわけではないんですが、言えることは、クルセイダーズの面々にしろマイケル・ブレッカーにしろデイビッド・サンボーンにしろ、ソロプレイヤーの奏でるフレーズがどのアルバムよりも良いということですね。この2枚のアルバムではフレーズがものすごく歌っているんです。で、何を一番言いたいかというと、それらのソロ・プレーヤーを歌わせているのはマイケル・フランクスの曲なんだということです。そう、ここに収められているものはまぎれもなくマイケル・フランクスが中心となって作り出しているポップスなんです。 

で、この2枚のどこが違うかというと、ストリングスアレンジャーが『The Art Of Tea』はニック・デカロなのに対して、『Sleeping Gypsy』の方はクラウス・オガーマンだというところなんですよ。ニック・デカロは原曲の持つイメージを大切にする控えめなアレンジャーなのに対し、クラウス・オガーマンは自分の色を持った主張の強いアレンジャーだと感じます。『Sleeping Gypsy』の方は良くも悪くもクラウス・オガーマンの影が見え隠れする内容となっています。聴き比べてみてください。



Michael Franks 『The Art Of Tea』1975年

『The Art Of Tea』の聴き所を紹介しますね。2曲目「Eggplant」は〈ヴァース部でのジョー・サンプルのローズのフレーズ〉対〈コーラス部でのラリー・カールトンのギターのフレーズ〉です。歌のメロディーが少しも死んでいないどころか引き立てている、聴くものを飽きさせない、そんな絡みになっています。この二人の勝負はコード進行的にジョー・サンプルに分がありますね。また、5曲目の「I Don't Know Why I'm So Happy I'm Sad」は音数を減らして作り出したその空間が素晴らしいサウンドを生み出しています。特にイントロからヴァースにかけての音空間は絶品です。シェーカーが入ってくる瞬間がたまりませんね。7曲目「Popsicle Toes」のすごいところは、コーラス部でマイケル・フランクスが《Popsicle Toes/Popsicle Toes Are Always Froze》などと歌うんですが、その歌と掛け合うジョー・サンプルのフレーズのキャッチーな所です。しかもこれがいわゆるサビであって、こんな少ない言葉数でここまで聴くものを魅了してしまうサビを僕は他に知りませんよ。すごい。



Michael Franks 『Sleeping Gypsy』1977年

もう1枚『Sleeping Gypsy』の1曲目「The Lady Wants To Know」、得てして下品になりがちなディレイを上品に聴かせるイントロのギターで始まります。ジョー・サンプルはアコースティック・ピアノよりもフェンダー・ローズの方が良さが出ると思うんですが、この曲はアコースティックピアノの方が合ってますね。2曲目「I Really Hope It's You」では、ラリー・カールトンがいかしたフレーズを歌のメロディーの合間に静かに弾きまくり、間奏ではマイケル・ブレッカーのテナー・サックスが上品に吹きあれます。この曲はマイケル・フランクスにしては珍しくメロディーにハーモニーを付けています。そうそう、マイケル・フランクスにはもっとハーモニーものをやってほしかったというのが僕の希望でした。そしてラストナンバー「Down In Brazil」、またまたマイケル・フランクスはすごい曲を作ってしまっているのです。楽器を出来る人はこの曲のコードを追ってみてください。僕はこの曲にマイケル・フランクスの哲学を見ました。この曲の間奏でのジョアン・ドナートのピアノ・ソロは小粋なフレーズでいかにも彼っぽいし、それに続くラリー・カールトンのギター・ソロはお洒落かつ慎ましやかにソロを展開させます。そういえば、この「Down In Brazil」がこのアルバムで一番はじめに好きになった曲でした。



Michael Franks 『One Bad Habit』1980年

他のマイケル・フランクスのアルバムでは、1980年の『One Bad Habit』がお薦めです。これもトミー・リピューマがプロデュースしています。『One Bad Habit』に収録されている曲の中では、「Lotus Blossom」「On My Way Home To You」「Inside You」なんかが好きです。「Lotus Blossom」のシンセには胸を締め付けられます。なんでこんなに良い音なの。



Michael Franks 『Burchfield Nines』1978年

じゃあ、これまたトミー・リピューマ・プロデュースの『Burchfield Nines』(1978)はどうなのか。このアルバムはすごく地味です。失礼ですが、なんか別の事をしながら聴く感じのアルバムです。でも、ぼくはこのアルバムを買った時期に何回もかけて聴いていたので、今でもこのアルバムを聴くたびに大学2年の冬、つまり、Lampを結成したばかりの頃の空気を思い出します。あの頃の空気を感じたいときはこのアルバムをかけます。表題曲はちょっと切なく、「Dear Little Nightingale」も地味だけどいい曲。
トミー・リピューマ・プロデュース作品がいかに良いかは、同時期の『Tiger In The Rain』(ジョン・サイモン・プロデュース、1979年)を聴いてみればわかります。曲の良さは変わらないものの、音が硬く、聴いていてどこかつまらないし、何回も聴きたくならないんです。
最後に一言、ここではバックのことばかり語ってしまいましたが、マイケル・フランクスはとても素晴らしいミュージシャンです。
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